チンクエ・テッレの旅の続き、3つめの村のコルニリアからスタートです。
コルニリア (Corniglia)
コルニリアは、約90mの高さの岬の上にあって海に接していません。チンクエ・テッレを巡るフェリーも、この村だけ乗り場がありません。
駅から行くには、377段あるラルダリーナの階段 (Scalinata Lardarina) をのぼるか、駅出口の小さな広場から、チンクエ・テッレカードを提示すると乗車できるシャトルバスがあります。

広場でバスを待っている列に並んで2台目のバスに乗る事ができました。
列に割り込もうとする人には、後ろはあっち!と並んでいる観光客の人が注意していました。
バスに乗って座れましたが、目の前に80代ぐらいのフランス人の夫婦が来たので席を譲ると、“メルシ~” と何回も言われました。。。
シャトルバスは村の中心部とコルニリア駅を往復しています。
村の中心部のバス停から、鐘楼が見える方 (山側) の小道へ入っていくと、サン・ピエトロ教会 (Chiesa di San Pietro) があります。


11世紀にあった礼拝堂の跡地に1334年に建設されました。
教会の内部はひんやりとしていて、厳粛な雰囲気が保たれていました。
教会を正面に見て左側に石造りの小道があります。
その坂を少し下ると、ヴェルナッツァ方面へ行く上りの階段があります。この階段を少し上って行くと岬の上にあるコルニリアの村の景色を一望できます。


コルニリアも、ブドウやオリーブ栽培が盛んなので、段々畑も見ることができます。
この景色を堪能してからサン・ピエトロ教会近くまで戻り、村の中心部へ向かいます。
サン・ピエトロ教会前の道、フィエスキ通り (Via Fieschi) を中心部の方に歩いて行きます。
道は車も通れないような狭い小道を歩いていくと、小さなラルゴ・タラジオ広場があり、階段を登ると聖カテリーナ修道会の礼拝堂 (L’oratorio dei Disciplinati di Santa Caterina) があります。


この礼拝堂は古そうな建物に見えますが、建設されたのは18世紀で、内部は非常にシンプルです。
礼拝堂の後ろ側には、海を見渡せるテラスがあります。
テラスからは、隣の村のマナローラを見渡せます。このテラスには中世に使用した要塞跡である塔があります。
礼拝堂の下の通りまで戻って、海側に歩いて行くと、もう一つの海が見渡せる絶景ポイントがあります。

小さな村なので、中心部を観光するのに時間はあまりかかりません。
帰りは階段を下りて駅まで戻ろうかなと思いましたが、バス停にバスが止まっていたので、すぐにバスに乗って駅まで戻りました。
ヴェルナッツァ (Vernazza)
4つめの村のヴェルナッツァにきました。ヴェルナッツァはチンクエ・テッレの村でも最も美しい村の一つと言われています。
ヴェルナッツァ駅前のローマ通り (Via Roma) を海側(左側)に向かって歩いて行きます。ローマ通りは村のメインストリートで、お土産屋、ジェラート屋、レストランやバールなど、色々なお店が並んでいます。


ローマ通り(途中からヴィスコンティ通り)をマリーナ方面に歩いていると、左側に岩の下に穴が開いていて水場になっています。崖を削って建設したのかなと想像できるような建物が建っています。
メインストリートを進んでいくと、海に面している広場に到着します。その先は小さな桟橋になっていて、ボートが係留しています。
海、カラフルな建物に教会が並んでいて、マリーナからみる景色は素晴らしいです。
メインストリートからは、いくつかの小道があります。そこを入っていくと道は二人並んで歩くと、対向からの人とすれ違えないぐらい細い道があって迷路のようで歩くのも楽しいです。

マリーナから見える教会は、聖マルゲリータ・アンティオキア教会 (Chiesa di Santa Margherita di Antiochia) です。この教会は11世紀頃にロマネスク様式で建築された建物を改築しました。18世紀までに数回の改築、増築をし、現在の姿になっています。外壁を見ると、増築されているのがわかります。鐘楼は四角形の基礎部分の上に八角形の塔になっています。以前は監視台として村の防御の役割をしていました。

古代の伝説ですが、聖マルゲリータの手の指の骨が入った小さな木箱が、村の海岸沿いで発見されました。これは奇跡で住民達は彼女に捧げられた教会を建てることにしましたが、激しい嵐で遺物は姿を消しました。しばらくして、最初に発見された同じ場所で再び発見されました。その後、海に近い現在の場所に教会を建てたそうです。


ヴェルナッツァには二つの塔があります。1つ目は岬の先端にあるドリア城 (Il castello dei Doria) にあります。もう一つは、カラッティーノ通り (Via Carattino) からコルニリアに行く道を少し歩いて行くと塔があります。塔の横から見た水平線に太陽が沈んでいく様子はとても美しかったです。
この後、サン・フランチェスコ修道院 (Convento di San Francesco) に行きたかったのですが、時間があまりないので、駅に戻って最後の村、モンテロッソに行きました。
モンテロッソ・アル・マーレ (Monterosso al Mare)
モンテロッソ・アル・マーレはチンクエ・テッレの村の最北端の村です。

今回は日が暮れてしまったので、前回行った時の写真も併せて使いたいと思います。
モンテロッソ・アル・マーレ駅を出ると、目の前は海です。
チンクエ・テッレの村は、海と崖に立ち並ぶカラフルな建物のイメージがありますが、このイメージから外れるのがモンテロッソです。
駅を出て、海を見て右方向(西)に500mほど行くと、砂浜のビーチの端にパスティーネ邸 (Villa Pastine) があります。
1910年に建築されたパスティーネ邸の海側にある崖の部分に、約14mの高さのネプチューンの彫刻が海に向かってそびえ立っています。ネプチューンはローマ神話で海の神といわれています。崖と一体化しているこの彫刻はイル・ジガンテ (Il Gigante) と呼ばれ、モンテロッソのシンボルの一つとなっています。


駅の前まで戻って反対方向に歩いて行くと、モンテロッソの岩 (Scoglio di Monterosso) があります。元々は1つの岩でしたが、嵐によって2つに分断されたそうです。

16世紀に海賊から村を守るために、いくつかの塔が存在しましたが、現在残っているのは3ヶ所のみです。そのうちの一つがオーロラの塔 (La Torre Aurora) です。現在はレストランになっています。残りの2つは、イル・ジガンテの後ろの方に建っている塔と、サン・ジョバンニ・バッティスタ教会の鐘楼です。
オーロラの塔の前の通りの左手に階段があります。そこを登っていくと、17世紀に建てられたカプチン会の修道院 (Convento Frati Cappucino) とサン・フランチェスコ教会 (Chiesa di San Francesco) が丘の上にあります。
カプチン会の修道院のホームページ:Convento Frati Cappucino
オーロラの塔の手前にあるとトンネルからも、村の中心地に行くことができます。
電車の高架下を通ると、サン・ジョバンニ・バッティスタ教会 (Parrocchiale di San Giovanni Battista) が見えます。
その横にあるローマ通り (Via Roma) がメインストリートです。
レストランや土産屋が並んでいます。
サン・ジョバンニ・バッティスタ教会は1244年から1307年に建築されました。正面は大きなバラ窓があり、白い大理石と濃い緑の蛇紋岩でストライプ模様になっています。

13世紀は要塞の一部 (展望台) として使用されていた塔が、15世紀にはこの教会の鐘楼として再建されています。
このサン・ジョバンニ・バッティスタ教会の隣には、オラトリオ・ディ・ネーリ礼拝堂 (L’oratorio della confraternita di Neri) があります。

この建物は17世紀にバロック様式で建てられました。
扉の上をみると、交差してる2本の腓骨と頭蓋骨が描かれています。この教会は恵まれない人の埋葬を手助けする人が設立しました。このメンバーは黒いロープ、フードと感染などから身を守るマスクの機能もはたす首輪 (仮面) をつけたそうです。


教会内の十字架も黒色で、装飾にも骸骨があって一風変わった教会でした。
お腹が空いてきたので、モンテロッソの中心部のレストランを探してみましたが、ほとんどのレストランが満席でした。
中心部を離れて電車の高架近くにあるレストランに入れました。
Ristorante Belvedere
19時前に入ったレストラン・べルヴェデーレは20時には、ほぼ満席でした。レストラン内は落ち着いた雰囲気でした。トラガジャビーチ (Spiaggia libera Tragagià) 近くにあるので、暖かい時期なら海を見渡しながらのテラス席が良いと思います。


前菜は海の幸のサラダ (Insalata di mare) にしました。パスタはトロフィエのジェノベーゼ (Trofie al pesto)、自家製タリオリーニ (Tagliolini della casa) などにしました。



トロフィエはリグーリア州で食べられている短いパスタで、モチモチしていました。
ジェノベーゼはバジルの風味が抑えられていて、まろやかな感じがしました。じゃが芋も入っていてとても美味しかったです。
タリオーニは、ムール貝のトマトソースで、にんにくの香りがきいていました。
ベル・ヴェデーレのホームページ:Ristorante Belvedere
食事をしてから、電車でラ・スペツィアに戻りました。電車内は観光客は少なかったですが、切符を確認する乗務員がきたので、チンクエ・テッレ・カードを提示しました。
リグーリア海岸にはチンクエ・テッレ以外にも、きれいな町がたくさんあります。
カモーリ(Camogli) 、ラパッロ (Rapallo) 、ポルトフィーノ (Portofino) に行ったことがありますが、どの町もカラフルで港町らしい雰囲気です。
ディズニー映画の「あの夏のルカ」の舞台の1つであるポルトロッソは、ヴェルナッツァがモデルといわれています。映画をみてから訪れるのも良いかもです。