ジェノヴァはイタリアの北西にあるリグーリア州(Liguria) の州都です。リグーリア州は、リグーリア海の海岸沿いにある州で西側はフランスとの国境があります。
ジェノヴァはイタリアの経済を支えている都市であり、イタリア最大の貿易港でもあります。
ジェノヴァの歴史的な街並み、イタリア最大の水族館であるジェノヴァ水族館は人気のある観光地であり、それに加えて2006年にレ・ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリのシステム (Le strade Nuove e il Sistema dei Palazzi dei Rolli) が世界遺産になりました。ジェノバは魅力的な観光地の1つです。
今回は3日間の滞在で、1日目は以下の行程で観光することにしました。
➀ 旧港 (Porto Antico)
② ボッカダッセ (Boccadasse)
③ フェッラーリ広場 (Piazza Raffaele de Ferrari)
④ ソプラノ門
⑤ 聖アンドレアの回廊 (Chiostro di Sant’Andrea)
⑥ コロンブスの家 (Casa di Cristoforo Colombo)
⑦ ドゥカーレ宮殿 (Palazzo Ducale)
⑧ サン・ロレンツォ大聖堂 (Cattedrale di San Lorenzo)
まずは旧港に続くメトロの駅のサン・ジョルジオ駅からスタートです。
ジェノヴァのGoogle map
サン・ジョルジオ駅の出口の階段横にサン・ジョルジオ宮殿 (Palazzo San Giorgio) があります。サン・ジョルジオ宮殿は、1260年に建てられ、1570年に増築、改修されています。ジェノバの港が見渡せるので、海の宮殿とも呼ばれていました。

中央上にあるフレスコ画は、馬に乗った聖ジョルジオがドラゴンを退治するシーンが描かれています。
フレスコ画の下には11世紀から16世紀にジェノヴァを支えたジェノヴァ艦隊長、提督などの像が並んでいます。正面から見て向かって右側から2番目の像が1492年に大西洋を横断したクリストファー・コロンブスです。ジェノバで歴史的に重要人物の1人です。
ジェノヴァ・シティパス (Genova City Pass)
ジェノヴァに滞在する際に便利なカードがジェノヴァ・シティパスです。
有効時間が24時間、48時間、72時間と選択できる施設別にカードが7種類あります。
色々な観光施設や交通機関が利用できます。自分が行きたいところがカバーできているか、交通手段はどうするのかなど旅行プランを立てて、ジェノヴァ・シティパスがお得なのか計算してから購入を考えましょう。
今回は3日間の滞在でジェノバ水族館に行きたかったので、唯一ジェノバ水族館に入館できるパスがついている、「Genova in 72h Edutainment」55ユーロ(2022年当時の料金)を購入しました。
「Genova in 72h Edutainment」は、ジェノヴァ水族館かガラーター海の博物館 (Galata Museo del Mare) のどちらか一つを見学できます。
美術館、博物館は指定されているレ・ストラーデ・ヌオーヴェの宮殿、ヴィッラ・クローチェ (Villa croce) 、リソルジメント美術館 (Museo del Risorgimento) 、自然史博物館 (Museo di Atoria Naturale) などから3施設を選んで見学することができます。
選択に関係なく、サンロレンツィオ大聖堂の鐘楼や王宮(Palazzo Reale)などの施設は、ジェノヴァシティカードを提示して見学することができます。
その他、バスや地下鉄に乗れたり、観光名所を巡回している赤い二階建てバスのサイトシーイングバス(City Sightseeing Genova)にも乗る事ができます。
詳しくは、ジェノヴァシティカードのホームページに記載されています。
公式ホームページ:Genova City Card
ジェノヴァの美術館や博物館を1日で見学したい人には、ジェノヴァ・ミュージアムカード (Musei di Genova) もあります。24時間有効でバス、地下鉄にも乗れます。
詳しくは、ジェノヴァ・ミュージアム・カードのホームページに記載されています。
公式ホームページ: Musei di Genova
こちらに記載した料金は、2022年当時のものです。現在の料金はホームページで確認してください。
サイトシーイングバス (City Sightseeing Genova)
まずは旧港に行ってCity Sightseeing Genovaの案内所に行き、乗り方を聞きに行きました。バス停に行って、ジェノヴァ・シティパスを提示すると予約なしで乗ることができ、シティパスの有効時間内であれば何度でも乗れます。

地図が欲しかったのですが、全部なくなったそうで、テーブルの上にある大きな地図の写真を撮らせてもらいました。赤と青の二つのルートがあります。バス乗車時にイヤホンを渡されて、観光地の近くを通る時に、説明を聞くことができます。観光地に停車して説明する観光バスではなく、観光地周辺を通る巡回バスです。

旧港から青のルートを通るサイトシーイングバスに乗って、バス停⑤まで行きボッカダッセ (Boccadasse) 方面へ行きました。
サイトシーイングバスのルートなどの詳細は公式ホームページで確認してください。
公式ホームページ:City Sightseeing Genova
②ボッカダッセ (Boccadasse)
バス停⑤から海岸沿いにある遊歩道コルソ・イタリア (Corso Italia) を歩いて約1㎞、15分程でボッカダッセに着きました。
ボッカダッセという変わった名前は、リグリア方言でロバの口(Bocca d‘âze)の形に見えるので、ボッカダッセと呼ばれるようになったと言われています。
小さな入り江にカラフルな建物が立ち並んでいます。ここの場所だけジェノヴァの街並みとは違った雰囲気の小さな港があります。チンクエテッレや、ポルトフィーノなどの、リグーリア海岸の漁村のようです。

ランチの時間になったので、ツナとモッツアレッラチーズのフォカッチャを買ってベンチに座って食べました。外で食べるのは気持ちいいです。


食後はボッカダッセにある、聖アントニオ教会(Chiesa di Sant’Antonio)に入りました。


1787年に建築された教会です。教会の側廊上部に船の模型が飾ってあります。
漁村ならではの奉納品です。
この後は、フェッラーリ広場に向かいます。Google map を使って、ボッカダッセより42番のバスに乗ってフェッラーリ広場に行きました。ジェノヴァ・シティカードがあるので、バスも乗ることができます。
③フェッラーリ―広場 (Piazza Raffaele de Ferrari)
フェッラーリ―広場はジェノヴァの中心地にある広場です。歴史的な建造物に囲まれた広場です。
写真の噴水の後方に移っている建物は、1912年に建築されたパラッツィオ・デッラ・ボルサ (Palazzo della borsa) で、証券取引所として1994年まで使用されていました。

写真左にあるアイボリー色の建物のリグーリア・美術アカデミー (Accademia ligustica di belle arti) は1751年に設立され、現在もアートスクールとして使用されています。
④ソプラーナ門 (Porta Soprana)
フェッラーリ広場のパラッツィオ・デッラ・ボルサ前からソプラーナ門へ向かいます。
ソプラーナ門は中世の石造りの建築物のひとつで、ジェノヴァの城壁の東の門として使用されていました。


フェッラーリ広場からみると四角柱ですが、反対側のコロンブスの生家側からみると、円錐形にみえます。
19世紀には塔の刑務所として使用されていたそうです。現在の門は1882年から1914年に修復されています。
⑤聖アンドレアの回廊 (Chiostro di Sant’Andrea)
ソプラーナ門を歩いて通ると、すぐに聖アンドレアの回廊があります。
12世紀に聖アンドレアデッラポルタ修道院がソプラーナ門近くに建設されました。その後、改築、増築され鐘楼も建設されましたが、ナポレオン時代の1799年に修道院の役割を終えました。
ソプラーナ門同様、刑務所などとして使用されていましたが、その後修道院は解体され、唯一回廊のみ現在の場所に再現されました。

⑥コロンブスの生家 (Casa di Cristoforo Colombo)
聖アンドレアの回廊の隣が、コロンブスの生家です。
クリストファー・コロンブスはイタリア語では、クリストフォロ・コロンボと呼ばれています。
コロンブスは、ジェノヴァ出身で大航海時代に白人で初めてアメリカ大陸に到達した人物として知られています。

コロンブスは探検家、航海士でさまざまな土地に滞在していたので、コロンブスの家はイタリアだけでなく、スペインやフランスにもあります。
ジェノヴァにあるコロンブスの生家は、コロンブスが1455年から1470年の成人するまでの間に住んでいたとされています。実際にあった生家は1684年にフランス軍の攻撃で破壊されたので、18世紀に復元されたものです。
私が行ったのは月曜日で、美術館や博物館の定休日なので、コロンブスの生家も閉まっていましたが、営業日に行くと家の中を見学できます。
ポルタソプラーナを通り抜けて、先ほどのポルタソプラナ通りを戻っていくと、右手にドゥカーレ宮があります。
⑦ドゥカーレ宮殿 (Palazzo Ducale)
フェラーリ広場に近いドゥカーレ宮殿は、ジャコモ・マッテオッティ広場 (Piazza Giacomo Matteotti) の三辺を囲むように建っています。
ジェノヴァ共和国時代の1298年に建築されました。

1528年からはジェノヴァ共和国の拠点になり、1815年にジェノヴァ共和国からサルデーニャ王国に併合されてからは、行政施設や裁判所として使用されていました。1992年までに大改修を行い、現在では議会、展示会、イベントなど多目的に使用されています。
今回は宮殿内に少し入っただけでしたが、ガイド付きのグリマルディナの塔 (La Torre Grimaldina) や以前使用されていた刑務所を巡るツアーもあります。期間限定のイベントなども、ホームページで確認できます。
ドゥカーレ宮殿 ホームページ: Palazzo Ducale di Genova
ドゥカーレ宮殿の横に1589年に再建されたイエスキリストと聖アンブロージョと聖アンドレア教会 (Chiesa del Gesù e dei Santi Ambrogio e Andrea) があります。


この教会にはオランダ画家のルーベンスの作品があります。主祭壇、正面にあるのがルーベンスが1608年、ジェノヴァ滞在中に描いたキリストの割礼です。もう一つは左側の側廊にある聖イグナチオが憑りつかれた人を癒す奇跡です。
この教会はフェッラーリ広場からも近い中心地にあり、バロック時代に活躍していたルーベンスの作品を見ることができるので、立ち寄ってほしい場所です。
⑧サン・ロレンツィオ大聖堂 (Cattedrale di San Lorenzo)
ドゥカーレ宮殿から数分歩くと、サン・ロレンツィオ大聖堂があります。
このサン・ロレンツィオ大聖堂は11世紀に現在の場所に移転し、再建を開始しました。
行った時も工事中でした。
大聖堂内見学は無料で、鐘楼に登る場合は有料です。ジェノヴァ・シティパスなどを持っていれば、カードを提示すれば登ることができます。



外壁も大聖堂内部も黒と白の縞模様が印象的です。
1階、2階から見える祭壇にあるのは、マリアのブロンズ像です。
左側の側廊には聖ヨハネの礼拝堂があります。
写真右側の正面を向いている像が聖ヨハネです。

聖ヨハネ像の隣にアダム、ザガリアがいます。左側の像でアダムの正面にいるのがエヴァ、写真では切れてしまいましたがザガリアの正面には妻のエリザベスの像があります。
石像上の大理石や祭壇には、洗礼者聖ヨハネの生涯のシーンが彫刻されています。


大聖堂の屋上からジェノヴァの景色が見渡せます。
丘に向かって建ち並ぶ建物も、ジェノヴァらしい風景だと思います。
初日は、ジェノバの旧市街の街並みを楽しみました。