リニャーノ・サッビアドーロの砂のプレゼーピオ その1 (Presepe di Sabbia di Lignano Sabbiadoro)

今回はリニャーノ・サッビアドーロで毎年開催されている砂のプレゼーピオ (Presepe di Sabbia di Lignano Sabbiadoro) を見に行ってきました。

リニャーノ・サッビアドーロ (Lignano Sabbiadoro)

リニャーノ・サッビアドーロはイタリアの北東にあるフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のウディネ県にあり、アドリア海に面しているリゾート地の1つです。ヴェネツィアからは車で1時間程で行けます。

夏は砂浜にパラソルが並び、海水浴客や観光客で賑わいます。冬は砂のプレゼーピオのイベントやスケートリンクが砂浜に設置されます。

リニャーノのシンボル的な存在でもある、海のテラス (Terrazza di Mare) は1972年にオープンして、現在もレストランを営業しています。

テラスの先端からも長く続く砂浜を見渡せます。

プレゼーピオ (Presepio)

プレゼーピオとは、キリスト降誕の場面を人形などで表した模型で、このシーンに出てくる登場人物や羊などの動物、家、夜空、山などの背景も並べて飾ります。

クリスマスシーズンになると、各家庭や教会でプレゼーピオを飾ります。
プレゼーピオに小さな池を作り、水を循環させて小さな滝を作っている家庭もあります。

クリスマスシーズンにイタリアの教会に行くと、プレゼーピオが飾られていることが多いです。
南イタリアのアルベロベッロ (Alberobello) をモチーフとしたプレゼーピオもかわいらしいです。

リニャーノ・サッビアドーロの砂のプレゼーピオ
(Presepe di Sabbia di Ligniano Sabbiadoro)

リニャーノでは、プレゼーピオやその年のテーマに沿った作品を砂で作って展示されています。サンドアートや砂像と呼ばれています。鳥取砂丘で砂の美術館ができた頃から、ずっとサンドアートを見たかったので(まだ行けていません)、今回は良い機会でした。

リニャーノでの砂のプレゼーピオは今年が16回目の開催になります。毎年10月から準備に入り、作品の展示は11月末から約2か月間開催されます。
今回は2019年11月30日から2020年2月2日まで開催されます。場所はリニャーノ・サッビアドーロの海のテラス (Terrazza a Mare) 近くの砂浜に会場が設置されます。昨年は約6万人が訪れたそうです。
前回までの過去15回はキリストの降誕を砂の彫刻で表現していましたが、今年は旧約聖書の創世記の初めの部分のシーンを砂の彫刻で表現しています。

天地の創造

創世記は旧約聖書の初めの部分で、第一章の天地の創造から始まります。

神は数日のうちに天と地を創造されました。

一日目は光を造り、光と闇(昼と夜)を造られました。
二日目は空(天)を造られました。
三日目は水を造り、海と陸を分けられました。陸には植物や果樹を植えました。
四日目は太陽、月、星を造られました。
五日目は魚や鳥などを造られました。
六日目は動物、人を造られました。
七日目は天と地が完成したので休息されました。

神が魚、鳥、動物を造られたシーンの砂像です。
色々な動物がいますが、砂で造られたは思えないぐらいに繊細な作品です。

人は動物など全ての生き物を支配するため、神がご自身のかたち(神と同じかたち)として人を創造されたシーンです。
今まで進化論しか知らなかったので、神がわずか6日間で光、水、大地、動物や人間まで創造したという創世記は、興味深いです。

第7の日は、天地万物は完成されたので、神は満足して安息されるシーンです。

背景には、ファン・ゴッホの星月夜が彫刻されています。手前には星月夜の糸杉があります。この糸杉は天と地を繋いでいると言われているそうです。

アダムとエヴァ

「アダムとエヴァ」の、蛇が女(エヴァ)を誘惑するシーンです。創世記の第3章にあります。

アダムとエヴァはエデンの園に住んでいました。神は園の木の実は食べても良いが、園の中央にある木の実(知識の実)は食べてはいけないと言っていました。しかし蛇にそそのかされて知識の実を二人とも食べてしまいました。自分達が裸であることに気づき、いちじくの葉を合わせて腰に巻きました。
神は約束を守らなかった二人をエデンの園から追い出しました。

今までは、アダムとエヴァがリンゴを食べてエデンの園から追い出されて。。。と漠然としか知らなかったです。
恥ずかしながら神が最初に作ったのがアダムとエヴァという事すら知りませんでした。
創世記を少し読んでみて、宗教的な深い意味はわかりませんが、美術館で見る作品などは、聖書や創世記などそれぞれのシーンに基づいて、その背景も含めて描かれているのだなと思いました。

このアダムとエヴァの砂像でも、やはり蛇が登場します。神から食べてはいけないと言われていた木の実(善悪や知識を知る木の実)を、蛇に誘惑されて食べてしまったので、このシーンには蛇は欠かせません。

創世記は知らなくても、アダムとエヴァ、ノアの箱舟やバベルの塔など耳にしたことがあると思います。どれも創世記の一部で、神がヒトに試練を与えたり、それぞれに意味があって、奥が深いなあと思いました。

次回も砂像の続きです。

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