イタリアの首都ローマとヴァチカン市国 3日目

ローマ観光も3日目になりました。初日はローマにある古代ローマの遺跡を物珍しく見ていたのが、3日目にもなると、景色の一部になりつつも、もう少し詳しく知りたいなと思うようになってきました。

今日は8時半出発でサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂がらスタートです。

3日目の日程

⑬サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂
⑭カラカッラ浴場
⑮真実の口
⑯ヴァチカン美術館

⑬ サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂
(Basilica di Santa Maria Maggiore)

サンタ・マリア・マッジョーレ教会は、テルミ二駅から歩いて10分もかからない場所にあります。
この教会は、ローマに4つある教皇庁の大聖堂のうちの1つです。他の3つは、ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂、聖ジョバンニ・イン・ラテラーノ大聖堂、サン・パオロ・フォ―リ・デイ・ムーリ大聖堂です。この4つの大聖堂には教皇の祭壇と、聖なる扉(教皇から与えられた扉)があります。聖なる扉は、聖年(ローマ巡礼者に特別の赦しを与えるとした年)や、特別な時だけ開かれるそうです。
伝説では教皇の夢の中に聖母マリアが現れて、奇跡が起こる場所に大聖堂を建てるように提案しました。そして8月5日の朝に雪が降ったこの辺りを中心に大聖堂が建てられました。
その後、何度も修復や増設などを重ね現在の姿になっています。大聖堂に入ってすぐに15世紀に装飾された黄金の天井に目を奪われます。その他にも数々のモザイクや、後陣の装飾、礼拝堂など素晴らしいです。スフォルツァ礼拝堂 (Cappella Sforza) は、ミケランジェロの設計です。

大聖堂の後ろ側にあるエスクイリーノ広場 (Piazza dell’Esquilino) には、古代ローマのオベリスクの1つ、エスクイリーノのオベリスクがそびえ立っています。広場は坂になっているのがわかりますが、ローマの7つの丘の1つ、エスクイリーノの丘に頂上あります。

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂ホームページ:Basilica di Santa Maria Maggiore

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の正面を向かって左側、セキュリティーチェックがある方の道路(Via Liberiana)からバス714番(Palazzo Sport行き)のバスに乗って、カラカッラ浴場に向かいます。6つ先のバス停がカラカッラ浴場 (Terme Caracalla) なので10分弱で到着です。

⑭ カラカッラ浴場 (Terme Caracalla)

カラカッラ浴場は、カラカッラ皇帝によって西暦212年から216年に、ローマの7つの丘の1つ、アヴェンティーノの丘 (Aventino) に建設されました。

カラカッラ皇帝の本名は、マルクス・アウレリウス・アントニヌス・バッシアヌス (Marco Aurelio Antonino Bassiano) ですが、カラカッラの愛称で知られていました。
カラカッラ浴場は、古代ローマ水道の一つの、マルキア水道から水を供給するために、アントニニアーナ水道を建設しました。
カラカッラ浴場は公衆浴場だけでなく、サウナ、スポーツジム、スイミングプール、図書館などを備えた娯楽施設でした。
ゴート戦争 (535-553)で水道が遮断されたため、537年からは浴場は機能しなくなりました。

当時のカラカッラ浴場のイメージと現在残っている遺跡の模型です。当時のイメージを見ると、全体的に左右対称になっていて、水道橋から水が引かれているのがわかります。中央の建物の中心部にある円形の部屋がカルダリウム (Caldarium) で浴槽があります。そこから通路を通り抜けるとバジリカがあり、スイミングプールがありました。遺跡のイメージの2番の広いスペースはジムがありました。当時の浴場のイメージをみてから実際に遺跡を見たので、どの辺りの部屋なのか、どんな感じで残っているのかわかりやすかったです。2000年近く前に健康ランドがあったなんて想像ができません。

ナターティオ (Natatio) は屋外スイミングプール (50m×22m) で広いですが、現在の子供用のプールの様に浅いです。
体育館の床は大理石を使用していて、その一部を見ることができます。上の階の床のモザイクは白と黒の大理石で、イルカや海の怪獣などが描かれていました。その一部が壁に立てかけてあります。
浴場や体育館などでは、王冠などの賞品を持ったアスリート、審判などが描かれたモザイクも発掘されていてヴァチカン美術館などに保管されています。

この大きな複合施設が古代ローマ人の憩いの場であり、コロッセオでは剣闘士や野獣などの戦いがあり、国をまとめるローマ皇帝がいて領地を争う戦争があり。。。現在は形は変わっていますが、温泉、レジャー施設など憩いの場があり、スポーツなどの対戦があり、各国には首相や大統領がいて、戦争や紛争もあり。。。今も昔も同じなのかなと思いました。

⑮ 真実の口 (Bocca la verità)

今更ですがバス停の見方です。。。カラカッラ浴場からほど近いバス停(Fermata)がBACCELLIです。緑色の部分に書いてあります。
真実の口に行くのに160番のバスに乗ります。
この160番のバスは、↓MONTAGNOLAが始発で、一番下に書いてあるVILLA BORGHESEが終点です。
このバス停は、メトロと接続しているCirco Massimoの1つ手前のBACELLIです。そしてCirco Massimoの次の停留所のCerchiが、真実の口の最寄り駅になります。
バスが来ると、バスの前方に160番と終点のVILLA BORGHESEと表示してあり、このバスで2つ先のCerchiまで行きました。
同じ160番でも行先がMONTAGNOLAだったら反対方向に行ってしまうので注意が必要です。日本国内でバスを利用する時も旅行中なら、反対方面に間違って乗ってしまう事もあるので、どこの国でも一緒です。。。
私はロンドンで間違って反対方向に乗ってしまって、知らない駅に着いた事がありますよー。

バスで2駅なので歩いても20分ぐらいで行けます。体力のある人はチルコマッシモ(競技場の跡地)を見ながら歩いてもいいと思います。

真実の口は、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会 (Chiesa di Santa Maria in Cosmedin) の外壁にあります。

映画「ローマの休日」で、真実の口に手を入れるシーンがあったので、世界的に知られるようになりました。
真実の口に手を入れて、偽りの心を持っていれば、手を噛み切られるという伝説があります。
私が行ったのは午前11時過ぎのランチ前で長蛇の列かと思いきや、4人待ちでした。
大理石で造られた直径175㎝の真実の顔は、太陽の形をしたローマ神話に出てくる農耕神のファウヌスを象徴的に表現してるそうです。
元々はマンホールの蓋だったという説が有力で、使用された大理石の性質から4世紀以前に作られたと考えられています。

幸いにみんな綺麗な心を持っていたようで、手を噛み切られる人はいませんでした。
真実の口については、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会のホームページで日本語でも説明されています。

サンタ・マリア・イン・コスメディン教会は、6世紀に建築されました。東欧に多いビサンティン建築が多い地域に建てられ、教会内部、屋根はビサンティン建築の特徴が残されています。
この教会は、メルキト・ギリシャ・カトリック教会に属していてアラビア語を使用しています。

お土産売り場には、バチカン市国の古代サン・ピエトロ大聖堂の礼拝堂から取り除かれたモザイクの断片が展示してあります。
東方教会でキリストの洗礼を祝うお祭りで、東方三博士の一人が贈り物を捧げている様子が描かれています。
このモザイク以外にも、アーモンドの中に描かれたロレートの聖母とキリストのフレスコ画などの作品も見ることができます。

リストランテ カルロ・メンタ(Ristrante Carlo Menta)

真実の口のある教会から、橋を渡って歩いて15分のカルロ・メンタでランチタイムです。
お昼ご飯はパニーノで軽く済ませたり、真実の口からもう少し先にあるマルケッルス劇場辺りの遺跡を見ながら散策しても良いと思います。

カルロ・メンタがあるルンガレッタ通り (Via Lungaretta) は、石畳の細い道で、レストランやバールが並んでいます。フォロ・ロマーノやスペイン広場辺りなどとは違う雰囲気が味わえる街並みです。

ブルスケッタとジューシ―なラム肉のグリルです。その他カルボナーラやピザも食べましたが、写真を撮り忘れていました。午後からも歩く予定なのでデザートまでしっかり食べました。カスタードプリンにカラメルソースがかかっているものと、ホームメイドケーキを少しずつ食べました。
カスタードとカラメルの組み合わせは最高です。

カルロ・メンタ Facebook : Carlo Menta

食事が終わったらヴァチカン美術館に向かいます。
テベレ川を渡った対向車線側のバス停「Lgt De’ Cenci/Arenula」から23番のバス「Clodio」行きのバスに乗ります。ヴァチカン市国近くの「Bastioni Di Michelangelo」で下車して、歩いてヴァチカン美術館の入口へ行きました。

⑯ ヴァチカン美術館 (Musei Vaticani)

ヴァチカン美術館には14時過ぎに着きました。当日券を1時間弱並んで購入しました。
ヴァチカン美術館に行く日を決めているなら、事前に入場券を購入する事をお勧めします。

ヴァチカン美術館の入場券は、ヴァチカン美術館のホームページから購入できます。
前売り券は一人につき5ユーロのチャージが付きますが、当日の待ち時間が大幅に減るので予定が立てやすくなると思います。前売り券は約2か月前からホームページで購入できるので、販売予定日前後からホームページをチェックして販売が始まったら購入するのがお勧めです。
購入できる日から1週間たつと、売り切れていることが多いです。

美術館の中に入ったのは午後3時で約2時間半滞在しました。閉館時間は19時で急いでいる訳ではなかったのですが、自分達なりに満喫して出てきました。美術館をゆっくりと見たい人は、朝から行って時間の許す限り、じっくりと見て回っても良いと思います。

夕方から雨が降る予報だったので、先に中庭へ行ってみました。庭の真ん中にドーンと「球体をもった球体」があります。

ヴァチカン美術館の見学コースなど、詳しく書かれているサイトが色々あるので省略します!
公式ホームページに地図があります。
実際に美術館に入ると、↓に沿ってシスティーナ礼拝堂までいくルートと、ピナコテカから出口に行くルートの二手に分かれる標識があります。

まずは、標識のシスティーナ礼拝堂 (Cappella Sistina) 方面に行きます。

Museo Chiaramonti(キアラモンティ) → Braccio Nuovo(ブラッチョ・ヌオーヴォ・ギャラリー) → Museo Gregoriano Egizio(グレゴリアーノ・エジプト) → Museo Pio Clementino(ピオ・クレメンティーノ) と1階にある美術品を見ながら進んで行きます。有名な作品の前には人だかりができています。
ピオ・クレメンティーノ美術館には、ベルヴェデーレのアポロや、ラオコーン像が有名です。円形の間にはクーポラの様な天井があります。床のモザイクはギリシャ神話の女神アテネです。
ここまではサクッと見て2階に行きます。

順番通り、Museo Gregoriano Etrusco(グレゴリアーノ・エトルリア) → Galleria dei Candelabri(燭台ギャラリー) → Galleria degli Arazzi(タペストリーギャラリー) → Galleria delle Carte Geografiche(地図のギャラリー)と続きます。
エトルリア美術館を見たら、一方通行のギャラリーゾーンに入ります。
通路の両側に美術品が並び、天井の装飾も素晴らしいので、どこを見ても目を奪われます。

長いギャラリーの次は、Appartamento di San PioⅤ(聖ピウスの5世の居室)です。ソビエスキの広間と、無原罪のお宿りの広間 (Sala dell’Immacolata) が続きます。ピウス9世が無原罪のお宿りの教義を宣言した出来事を、Francesco Podesti(フランチェスコ・ポデスティ)がフレスコ画の連作で描いています。

次に進むと、ラッファエッロの間 (Stanze di Raffaello) です。コンスタンティヌスの間 (Sala di Constantino)、ヘリオドロスの間 (Stanza di Eliodoro)、署名の間 (Stanza della Segnatura)、ボルゴの火災の間 (Stanza dell’incendio del Borgo) と4つの部屋が続いています。
コンスタンティヌスの間は、ローマ皇帝コンスタンティヌスの物語が描かれていて、ラッファエッロの死後、弟子によって完成させました。
ヘリオドロスの間にある、ボルセーナのミサにはラッファエッロの自画像があります。次の署名の間のアテネの学堂にも自画像があります。署名の間は、神学、哲学、ポエム、法学がテーマになっています。天井には、神学でアダムとエヴァも描かれています。ボルゴの火災の間は、ラッファエッロが関わった最後の部屋です。
ラッファエッロの間は、「すごい!」の一言です。

ヴァチカン美術館のホームページでもラッファエッロの間を360°ビューで見ることや、動画を公開しています。360°ビューだけでも、ラッファエッロの間の雰囲気を味わえます。

一方通行に従って進んでいき、階段をのぼるとシスティーナ礼拝堂があります。写真、動画など撮影は禁止されています。
礼拝堂なので厳粛な雰囲気のなか、美術作品に囲まれた礼拝堂の雰囲気に圧倒されます。
天井にはミケランジェロの創世記のシーンが描かれています。正面には同じくミケランジェロの最後の審判のフレスコ画があります。
最後の審判を正面に見て右側(北)は、キリストの生涯の中のいくつかのシーンが描かれています。左側(西)は、預言者モーゼの物語が描かれています。

ヴァチカン美術館のホームページから360°ビューでシスティーナ礼拝堂を見ることが出来ます。

この後は、Pinacoteca(ピナコテカ)→ Museo Pio Cristiano (ピオ・キリスト教美術館) → Museo Gregoriano Profano(グレゴリアーノ世俗美術館) → Padiglione delle carrozze (馬車博物館)→ Museo Missionario Etnologico(宣教師民族博物館) → Museo Filatelico e Numismatico(切手・紙幣博物館) でおしまいです。

ピナコテカには、ジョット・ディ・ボンド―ネ の「ステファネスキの三連祭壇画」、レオナルド・ダ・ビンチの「荒野の聖ヒエロニムス」、カラヴァッジョの「キリストの埋葬」、ラッファエッロの「主イエスの変容」、「フォリーニョの聖母」、「聖母戴冠」が展示されています。

見学した日は混雑してなかったのと、始めと最後の部分は通り過ぎる感じで、約2時間半で出口まできました。
時間がなければ、一方通行の燭台ギャラリーからシスティーナ礼拝堂を見学するだけでも、装飾しつくされている部屋を体感できると思います。

ヴァチカン美術館に来たのは3回目で、6月、1月と今回の3月です。6月は人がいっぱいで混雑してましたが、1月中旬の平日は、当日券を並ばずにチケット売り場で買いました。
それぞれ仕事の都合や事情で旅行の日程を調節は難しいですが、オフシーズンに行くとスムーズに見学できると思います。

ヴァチカン美術館 ホームページ:Musei Vaticani

レストラン テルメ・ディ・ディオクレツィアーノ
(Ristorante Terme di Diocleziano)

テルミ二駅近くにあるレストランに来ました。
写真は昼間に前を通った時に撮ったものです。
このレストランは西暦306年にオープンしたディオクレティアヌス浴場の跡地にあります。ディオクレティアヌス浴場はカラカラ浴場の約2倍の大きさだったそうで、カラカラ浴場同様537年にゴート戦争で水道橋を遮断されました。
その後は採石場として利用されていましたが、16世紀には浴場の中央部分がミケランジェロなどのプロジェクトで、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ・エ・デイ・マルティーニ聖堂 (Basilica di Santa Angeli e dei Maritiri) に改築されました。聖堂近くにある国立ローマ博物館も、浴場の跡地にあります。
レストラン・テルメ・ディ・ディオクレツィアーノもローマ博物館の近くにあり跡地を再利用した建物にあります。入口は半円形の遺跡の部分です。内装も当時の壁の部分を利用して、違和感なく古代と現代が融合してる感じがしました。

アンティパストはブレザオラとルッコラをシェアし、カルボナーラを食べました。カッチョ・エ・ペペも美味しいですが、個人的には豚肉(ベーコン)の旨味がでてるカルボナーラの方が好きです。

ローマ風のサルティンボッカ (Saltimbocca alla Romana) は、子牛肉に生ハムとセージをのせた料理です。ブレシア発祥の料理ですが、なぜかローマの名物料理になっています。薄いお肉の赤身を使っているので、脂っこくなく食べれました。

ムール貝のワイン蒸しはベルギーを思い浮かべるかもしれませんが、ヨーロッパ各地でも食べられています。
イタリアバージョンはブルスケッタが添えてあることが多いです。

レストラン・テルメ・ディ・ディオクレツィアーノホームページ:Ristorante Terme di Diocleziano

これでローマ3日目終了です。
ローマには所用を兼ねてきていたので、4日目以降も滞在してました。
ローマ動物園などにも行ったので、その時の様子を次回にしようと思います。

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