トレント (Trento)

トレンティーノ・アルトアディジェ州 (Trentino-alto Adige) の州都のトレントに行ってきました。
この州はイタリアの北東部にあり、ヴェネト州の北側にあります。
第一次世界大戦まではオーストリア=ハンガリー帝国だったので、ドイツ語を母国語とする人も多いです。特にトレントから50㎞ほど北にある街のボルツァーノ自治州は、公用語がイタリア語とドイツ語になっています。

今回はトレントにあるMUSEと歴史地区を散策しました。

ムーゼ (MUSE)

ムーゼは2013年にオープンした、トレントにある科学博物館です。
工場の跡地に都市再開発プロジェクトの一環として建設されました。
ジェノバの旧港の再開発や関西空港の旅客ターミナルビルを手掛けた、レンツォ・ピアノ (Renzo Piano) が設計しています。環境に配慮した省エネの建物です、吹き抜けになっていて、天井もガラス張りなので大きな窓から光がしっかり入ってきてます。
オンラインでもチケットを事前購入できますが、科学博物館に直接いってチケットを購入しました。入場時間と入場人数が決まってるようですが、すぐ入ることができました。

地下一階には、恐竜の骨格や化石などが展示されています。
動物のはく製も沢山展示されています。
科学博物館だけではなく、自然科学博物館です。

この人類の進化の模型、リアルすぎます。
人類の進化は猿人(アウストラロピテクスなど)⇒原人(ジャワ原人など)⇒旧人(ネアルデンタール人など)⇒新人(クロマニョン人など)です。私はすっかり忘れていましたが、イタリアでは小学三年生の歴史で恐竜時代の後に、人類の進化を学びます。

アフリカの東南部にあるマラウイ湖のシクリッドの水槽があります。シクリッドの中でもムブナの雄は尻ヒレにエッグスポット(卵の様な模様)があります。岩場に産卵したメスが卵を口の中に入れて育てます。その時に雄のエッグスポットを卵だとおもい、雌が尻ヒレに近づいたところで放精し、受精されます。そして雌の口のなかで孵化するそうです。

子供達が一番好きな場所で、遊びながら科学を学ぶコーナーです。
科学館に入場した時は、人が溢れていましたが、ランチタイムに入ったぐらいに行くと、人が少なくて、ゆっくり遊ぶことができました。

タッチパネルで料理を作るコーナーで、牛肉の炒め物を作るのに、使う材料を選んでフライパンに入れます。材料が正解になると、牛肉を1㎏つくるのに、15,000リットルの水を使い、6㎏の二酸化炭素を発生させると表示されます。

上の階は、環境問題を学ぶコーナーであったり、ドロミテ山脈やアルプスの地質やどんな動物や鳥類が住んでいるかなどを解説しています。
この辺りは、題材が難しくなってくるので、見学してる人は少なかったです。

ゆっくり見ても、2~3時間で見ることができます。
この後、ミュージアムショップを見てから、MUSEの向かいにある、illyのバールでパニーノを食べてから、トレントの中心地を少し歩きました。

MUSEホームページ:MUSE (Museo delle Scienze)

トレント歴史地区 (Trento Centro Storico)

MUSEからトレントのドゥオーモ広場 (Piazza del Duomo di Trento) まで歩いて15分ぐらいです。広場の中心にネプチューンの噴水、左にある塔が市民の塔、Torre Civicaと、その隣の建物が、プレトリオ宮殿 (Palazzo Pretorio) です。

ネプチューンの噴水は、1769年に設置されました。ネプチューン像のオリジナルは、劣化に伴い市庁舎 (Palazzo Thun) の中庭に移されました。現在のネプチューンはブロンズ像で1942年に製作されています。ドイツ北西部にあるヴッパータ―ルには、ネプチューンの噴水の複製があります。

高さ45mの市民の塔は、12世紀に建てられました。14世紀には隣にあるプレトリオ宮殿内の裁判所での裁判を待つ人を収容する拘留場にもなっていました。2015年8月の火災後に修復され、現在はガイドによる塔のツアーも再開されています。ツアーも毎日開催ではなく、1回につき10人までです。開催日時などは、ホームページで確認できます。

プレトリオ宮殿はトレント司教の住居、裁判所や自治体として使用されていました。現在ではトリデンティーノ司教区の博物館になっています。

トリデンティーノ司教区の博物館ホームページ: Museo Diocesano Tridentino

プレトリオ宮殿の横にあるのが13世紀から14世紀に建築されたドゥオーモの聖ヴィジリオ大聖堂 (Cattedrale San Vigilio) です。
西側のバラ窓がある入口から入ります。
開いてる時間内に行きましたが、閉まっていました。。。

ドゥオーモのホームページ:Cattedrale San Vigilio

ドゥオーモ広場には、16世紀に建設された、壁一面にフレスコ画が描かれている建物があります。右側がレッラ邸 (Casa di Rella) で、白色で描かれている建物がカズッフィ邸 (Casa di Cazffi) です。神話などのシーンが描かれています。

ドゥオーモ広場から歩いて5分のところにフィエラ広場 (Piazza Fiera) があります。毎年クリスマスマーケットが開催される広場です。
この広場には中世に街を囲んでいた高さ約15mの壁の一部が残っています。

ブォンコンシーリオ城 (Casetello del Buonconsiglio)

ドゥオーモ広場から歩いて15分のところにブォンコンシーリオ城があります。

もともとは軍事拠点として使われていたカステルヴェッキオ (Castelvecchio)、1530年に建てられたフレスコ画が美しいマンニョ宮殿 (Magno Palazzo) などを見学することができます。

ブォンコンシーリオ城ホームページ: Castello del Buonconsiglio

今回は時間がなくて、ブォンコンシーリオ城には行けませんでしたが、観光目的なら、科学博物館ではなくて、歴史地区のセンターを散策とお城の見学でトレントを楽しむのも良いと思います。

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