Gemona(ジェモーナ)、Venzone(ヴェンツォ―ネ)

タルヴィージオから少し離れた場所にも行ってきました。

タルヴィージオから国道(SS13)を南に1時間ほど行くと、Venzone(ヴェンツォーネ)と、Gemona(ジェモーナ)という町があります。その小さな2つの町を訪れてから、Bordano(ボルダーノ)、Lago di Cavazzo (カヴァッツォ湖)へ行きました。

Venzone(ヴェンツォーネ)

ヴェンツォーネは、壁に囲まれた小さな町です。
標高約750mにある山間部のタルヴィージオから南西、平野部に向かっているので、町の周りは、低い山に囲まれています。

ポルタ・ジェネーシオ (Porta Genesio)

1258年に二重の壁と壁の前にある掘が建設され、要塞化された町となりました。
ヴェンツォーネは古代都市アクイレイアとオーストリア方面を結ぶルートにあったので、たびたび侵略の犠牲になってきました。オーストリアやナポレオン率いるフランス軍に占領された時期もありましたが、1866年にイタリア王国の一部になりました。

古代都市アクイレイアは、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の州都トリエステから西に約30キロのところにあり、ローマ時代の遺跡や大聖堂などが世界遺産に登録されています。
今回の日程では行けませんでしたがトリエステやアクイレイアにも行ってみたいです。

まずはサンタンドレア・アポストロ教会 (Chiesa di Sant’Andrea Apotolo) に行きました。
6世紀は小さな教会があった場所に、13世紀と14世紀に増築されましたが、1976年の大地震で崩壊しました。

1976年5月6日にフリウリ地震が発生し、それから半年後の9月11日と9月15日に大きな余震が発生しました。この2回の余震で町が壊滅的に崩壊したそうです。
大地震後の1988年~1995年に教会は再建されました。

教会の横にサン・ミケーレ礼拝堂 (Cappella di San Michele) があります。
17世紀に教会の拡張工事の際に、教会の地下から約20体のミイラ化した遺体が発見されました。
サン・ミケーレ礼拝堂にはそのうちの5体のミイラが展示してあります。

教会のすぐ近くにヴェンツォ―ネの庁舎があります。
庁舎の1階のアーチになっているスペースには地震の時の写真などが展示されています。

庁舎の階段から見たムニチ―ピオ広場 (Piazza Municipio) です。
人が少なくて寂しい感じがします。

ムニチ―ピオ広場から50m、ポルタ・サン・ジョバンニ (Porta San Giovanni) 方面に歩くと、1976年の地震で崩壊したサン・ジョバンニ教会跡 (Chiesa di San Giovanni) があります。
外壁の一部以外は崩壊していて、地震の被害が大きかった様子がわかります。

町に入る時に通ったポルタ・ジェネーシオ (Porta Genesio) から、町の反対側にあるポルタ・サン・ジョバンニまでは約250mです。小さい町なので1時間あればゆっくり見ることができます。

ジェモーナ (Gemona del Friuli)

ヴェンツォーネから車で10分程南に行くと、ジェモーナ・デル・フリウリ (Gemona del Friuli) があります。
この町も1976年のフリウリ地震で破壊的なダメージを受けた町の一つです。
ジェモーナもヴェンツォーネと同様、色々な民族や国に支配され1866年にイタリア王国になりました。

まずは、ジェモーナの大聖堂( Duomo di Gemona del Friuli) に行きました。
こちらも小さな教会があった跡地に14世紀に建てられました。
中央の大きなバラ窓が印象的です。
また正面右側にある高さが7mある聖クリストフォロス像にも目が引かれます。

大聖堂の横にある鐘楼の高さは50mあります。地震で全壊したので再建されています。

大聖堂は右側と後ろ側に被害が大きかったようでで、地震後から修復工事が行われ1986年に工事が終了しました。

大聖堂前の道を中心地に向かって100mほど歩くと、フラメンティ・ディ・メモリア (Frammenti di memoria) があります。

1976年のフリウリ地震を伝承する記念館です。
地震大国の日本でも、震災について考えさせられることが多いですが、イタリアでも観光客は真剣に説明を読んでいたり、ビデオを見たりしていました。

フラメンティ・ディ・メモリアを後にして、ジェモーナ城(Castello di Gemona) の庭園へ向かいます。
頭上に大きなジェモーナ城の標識がでていますが、見落として通り過ぎてしまいました。

庭園へは、ここから階段 (約150段) をのぼります。

ジェモーナ城は丘の上にあり、地理的にアルプス山脈の入口にあるので、ローマ時代から駐屯地として利用されていました。たびたび侵略の被害にあいましたが、その後復元されました。14世紀には、3つの塔と壁で守られた宮殿に再建されました。

15世紀にはヴェネチア領となり、ジェモーナ城は要塞としての役目は終わり、複合施設となりました。

1511年の大地震と1976年の大地震で、お城はほぼ全壊しました。
私が訪れた時、城はシートで覆われていて、改修工事が続いていたので外観はよく見えませんでした。
庭園に行くと、城壁跡とジェモーナの景色が見渡せます。

ジェモーナ城は、現在は絵画、音楽や演劇のイベント会場として使われています。

先ほど訪れた大聖堂が、山の手前に建っているのが見えます。
地震が起こる地域の山の手前は、崖崩れや落石は大丈夫なのかなと気になってしまいます。

この後は、La perla というレストランでピザを食べましたが、写真を撮り忘れました。。。
魚料理、肉料理、ピザが食べれるイタリアンレストランです。

La perla の facebook ⇒ La perla

カーザ・デッレ・ファルファッレ (Casa delle farfalle di Bordano)

昼食後は、タリアメント川の対岸にある、ボルダーノにあるカーザ・デッレ・ファルファッレ (Casa delle farfalle) に行きました。蝶の家です。

入園料金は大人12ユーロ、子供(3歳~10歳)は10ユーロでした。(料金は2020年の金額です)

中に入ると蝶のドキュメンタリーが見れる視聴室があります。その後、蝶のいるゾーンに行きます。

アフリカ、アジアとアマゾンのゾーンに分かれていて、蝶が飛び回っています。
蝶は花の蜜、木や植物の樹液や果物などを食べるそうです。
バナナや桃の他にも、パイナップルやスイカを食べている蝶もいました。

花柄の服を着ていると、服にも寄ってきます。
頭の上や、鼻の上にも止まっていました。
見ているだけで楽しいです。

蝶の幼虫も自由に育っています。
幼虫は葉っぱを食べて育ちます。

蝶は、卵 → 幼虫 → 蛹 (さなぎ) → 成虫の順で育っていきます。

この木の枝の中心にいるのが、Insetto foglia secca です。
オーストリアに多く分布していて、ユーカリなどの葉を食べるそうです。

日本やイタリアでは見れない珍しい虫なども、います。

リスの他にも、爬虫類のフトアゴヒゲトカゲ、ウォータードラゴンやイグアナもいます。

今回は、蝶の家に1時間半ぐらい滞在しました。
蝶の家の規模自体は大きくありませんが、子供なら十分楽しめると思います。

カヴァッツォ湖 (Lago di Cavazzo)

ボルダーノから車で約10分、カヴァッツォ湖に着きました。

カヴァッツォ湖の下流 (南側) に大きな駐車場があります。
駐車場から公園を越えて湖方面に歩いていくと、歩道橋があります。
湖周は約7.6㎞の小さな湖です。

小さな亀や、マス、鯉、チャブなどの魚が生息しています。
南側の湖畔を歩きましたが、バーベキューしている人や、カップケーキなどを持ち寄ってパーティーをしている人達もいました。

湖畔には有料のキャンプ場もあります。キャンピングカーで来て、数日滞在する人達もいました。
水着姿の人は沢山いましたが、湖の水は冷たいので、泳いでいる人はいませんでした。

今回は、地震から復興した2つの町、蝶の家、アルプスの自然を感じることができる湖を訪れました。
車で移動するなら、1日あれば十分回れます。有意義な一日になりました。


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