チンクエ・テッレ (Cinque Terre) Part1

チンクエ・テッレ (Cinque Terre)

チンクエ・テッレはジェノヴァを州都とするリグーリア州のリグーリア海岸(地中海)にあります。
ジェノヴァから海岸沿いに約65km南東に行くと、北側からモンテロッソ (Monterosso)、ヴェルナッツァ (Vernazza) 、コルニリア (Corniglia) 、マナローラ (Manarola) 、リオマッジョーレ (Riomaggiore) という5つの村があります。この5つの村の総称をチンクエ・テッレと呼びます。
1997年に「ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群(パルマリア島、ティーノ島とティネット島)」は世界文化遺産に登録されています。

今回は リオマッジョーレよりも南東にある、ラ・スぺツィア (La Spezia) からスタートしました。
前回行った時は、ラパッロ (Rapallo) というリグーリア海岸沿いにある町に数日滞在して、チンクエ・テッレを散策しました。
チンクエ・テッレの5つの村は基本的に電車で移動するか、トレッキングコースを歩いて行くかのどちらかになります。
前回は、トレッキングコースを歩きましたが、今回は電車で移動する事にしました。どちらにしても、チンクエ・テッレカードが必要だったので、まず2種類あるカードを見ていきたいと思います。

チンクエ・テッレカード

〇チンクエ・テッレ・トレッキングカード

トレッキングカードは、有料のトレッキングコースであるコルニリアからヴェルナッツァ、ヴェルナッツァからモンテロッソの登山道を歩く場合は、このトレッキングカードを使います。
※11月4日から3月15日のオフシーズンはトレッキングコースは無料なので、このカードは必要ないです。
他にもシャトルバス、トイレが無料などの特典があるので、詳しくはホームページのチンクエ・テッレ・トレッキングカードなどで確認して下さい。

〇チンクエ・テッレ・トレノMSカード

トレノMSカードは、チンクエ・テッレの北側のレバント (Levanto) 駅から南側のラ・スペツィア (La Spezia) 間の2等席の乗車券+トレッキングカードです。
このカードもWi-Fi無料などの特典があるので、詳しくはチンクエ・テッレ・トレノ・MSカードで料金などの確認もできます。TRENITALIAのホームページでも購入できます。

小学生や中学生の子供が一緒の場合は両カードとも、ファミリーカードがあります。

今回は朝の8時半にラ・スペツィアの駅に行って、チンクエ・テッレ・トレノ・MSカードを購入しました。駅は人であふれていて列ができていました。それぞれの発券機に30人ぐらい並んでいて、インフォメーションポイントにも長い列ができていました。案内する人もいないので、どの列に並んでいいのかわからなかったので二手に分かれて列に並びました。先に順番が回ってきたインフォメーションポイントでチンクエ・テッレ・トレノ・MSカードを購入しました。

オフシーズンで、無料のトレッキングコースを行く場合は、カードを使わず電車に乗るたびに切符を買う方がお得かもです。

リオマッジョーレ (Riomaggiore)

チンクエ・テッレ・トレノ・MSカードを使用したので、初回に乗る駅のラ・スペツィアでカードに刻印してから電車に乗りました。
約8分でチンクエ・テッレの最南東の村、リオマッジョーレに到着です。
満員電車並みの混雑でした。

駅のホーム端にあるトンネルを通ってメインストリート (コロンボ通り) や船着き場がある方面に向かいます。
トンネルを抜けると左側にはメインストリート、まっすぐ進むと船着き場に行く階段があるので、先に船着き場方面に行く事にしました。

港町らしく、ボートが並んでいます。
スロープになっていて、ダイビングスクールや、ボートツアーのお店が並んでいます。
スロープの横に登り坂があり、その上が展望台になっています。

ここから眺める景色、急斜面を切り崩して建築したカラフルな建物がチンクエ・テッレの特徴的な街並みです。
11世紀以降、ジェノバ共和国が拡大している時代に、波止場近くに小さな集落ができたのが始まりだそうです。

展望台を進むと、フェリー乗り場があります。
フェリーでは、コルニリアを除く4つの村に行くことができます。フェリーでは世界遺産に登録されているポルトヴェーネレやパルマリア島に行く路線もあります。

チンクエ・テッレフェリー公式ホームページ:Navigation Golfo dei Poeti

メインストリートのコロンボ通りまで戻って、登り坂を歩いていきます。通りの両側には、お土産屋、ジェラート屋、レストラン、バールなどが並んでいます。
坂の上の方まできて振り返ると、リオマッジョーレ城が見えます。

コロンボ通りを登っていくと、右手に16世紀に建てられたサンタ・マリア・アッスンタ礼拝堂(Oratorio di Santa Maria Assunta) があります。教会はシンプルで小さいですが、左後ろにそびえ立つ薄オレンジの鐘楼が印象的です。

正面には三連祭壇画があり、聖ヨハネ、聖フランシスコと中央に聖母マリアとキリストが描かれています。
祭壇の左側には、木製の鎖でつながれた聖母があります。イスラム海賊の襲撃で鎖でつながれた捕虜を偲んで鎖の聖母が保存されています。

この礼拝堂の向かいにあるピンクの建物の下に、お城に向かう小道があります。
そこを抜けて歩いていくと、サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会 (Chiesa di San Giovanni Battista)があります。1340年に建築され、1870年に増築されています。丘の横ギリギリに建ってました。

教会を越えてお城に続く細い道を上がって行きます。

工事中のリオマッジョーレ城は、海賊の侵略や攻撃あった場合に住民を守るために1260年に建設されました。その後15世紀から16世紀のジェノバ共和国によって改築されました。
現在では、教育や文化施設、展示会場として使用されています。

駅前に戻ると、愛の道 (La via dell’amore) の標識がでています。この遊歩道はリオマッジョーレとマナローラを結んでいます。2012年に土砂崩れがああり、一時期閉鎖されていました。現在は安全の為の準備中で2024年夏に再開する予定だそうです。

この愛の道が再開していたら、リオマッジョーレからマナローラの約1キロの道を歩いて行くのが良いと思います。閉鎖していたので駅に戻ってマナローラへ行きます。

マナローラ (Manarola)

マナローラ側からの、愛の道です。
マナローラの駅の横に愛の道の標識がでていて、一部だけ歩くことができました。
駅からトンネルを通って村の中心地へ向かいます。

まずはトンネルを出て左の海側を歩いていきます。お土産屋、レストラン、バールなどが並んでいるレナート・ビロッリ通り (Via Renato Birolli) は人で溢れています。
お昼の時間だったので、どこのお店も列ができていました。

海岸までくると、ほぼ垂直の崖の上に建物がたってきます。
中世の時代はリグーリア海岸の村全体に海賊の襲撃が頻繁にあり、このマナローラも崖の上にも13世紀には城がありましたが、現在は一部しか残っておらず、個人の住居になっているそうです。

レナート・ビロッリ通りでランチタイムにしようと思いましたが、あまりにも人が多すぎたので、駅に続くトンネルの前まで戻って、海と反対側の坂を上っていきました。
坂を上っている途中にレストランやテイクアウトのお店がありますが、満席で列ができています。
目的地の教会の手前にパニーノのお店がありました。
マグロのパニーノを食べましたがツナ缶のマグロではなく、スーパーのお刺身のマグロを調理したような感じのマグロで美味しかったです。

ランチの後は、1338年に建設されたサン・ロレンツィオ教会 (Chiesa di San Lorenzo) に行きました。当初は聖母マリアに捧げられた教会でしたが、1500年にサン・ロレンツィオに捧げる教会になりました。リオマッジョーレのサン・ジョヴァンニ・バッティスタ同様、教会の正面にはゴシック建築であるバラ窓があります。

鐘楼はサン・ロレンツィオ教会の向かい側にあります。
中世の時代に海を一望できる監視台があった場所に、14世紀に鐘楼が建てられました。
ここから見る景色は、段々畑になっているブドウ畑と、色とりどりの建物と海を見渡せます。
監視台があった時代は、塔の上から眺めるので、海もよく見渡せたと思います。

チンクエ・テッレでは白ワインや、甘口ワインのチンクエ・テッレ・シャケットラ (Cinque Terre Sciacchetrà ) が有名です。

この後は駅まで戻って、次の村コルニリアに向かいます。
コルニリア、ヴェルナッツァとモンテロッソの3つの村は、チンクエ・テッレ Part2 に続きます。

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