テル二はウンブリア州の南にある鉄鋼の町です。
今回はテル二に行く用事を兼ねて、テル二と同じウンブリア州のナルニ、オルヴィエートや、ラツィオ州にあるチヴィタ・バニョレーゼを訪れました。
テル二 (Terni)
テル二は、ウンブリア州の中では州都のペルージャの次に人口が多い町です。
工業地帯として発展した都市なので、鉄鋼の町と言われています。
町の中心地に近いタチート広場 ( Piazza Cornelio Tacito ) から出発しました。
タチート広場には、黄道帯の噴水 (Fontana dello Zodiaco) があります。写真では見にくいですが、12星座のモザイク画が噴水の底面に描かれています。
広場からコルネリオ・タチート通り (Corso Cornelio Tacito) に入り歩いていきました。
この後の天気予報は豪雨の予想だったので、お店もひっそりとしていて、人も殆ど歩いてなかったです。



タチート広場から歩いて10分程でスパーダ宮殿に到着しました。
スパーダ宮殿は、14世紀頃からテル二で勢力を伸ばしたスパーダ家によって16世紀に建設されました。その後、1957年にテル二市に売却され、現在は市庁舎として使用されています。
この後、テルニの大聖堂であるサンタ・マリア・アッスンタ大聖堂 (Cattedrale di Santa Maria Assunta) とローマ円形劇場 (Anfiteatro Romano) まで歩いて行く予定でしたが、雨がポツポツ降ってきたので断念しました。
テルニ市のホームページにテルニの大聖堂とローマ円形劇場の写真やYoutubeを見ることができます。
一旦車へ戻り、テルニの中心部から約10分の聖バレンタイン教会に行きました。
聖バレンタイン教会 (Basilica di San Valentino)

イタリアでは、各市町村にゆかりのある守護聖人がいます。テルニは、テルニの司教であった聖バレンタインが守護聖人です。
2月14日は聖バレンタインが処刑された日で、現在のバジリカがある場所の近くに、聖バレンタインは埋葬されました。

5世紀頃に建てられた古代の教会には、多くの人が巡礼に訪れるようになりました。16世紀に聖バレンタインの遺物などの発掘調査が行われ、発見された聖バレンタインの遺体はテルニの大聖堂に移されました。
その後、殉教者は埋葬された場所で崇拝されるべきということで、現在のバジリカが建設されました。1628年に聖バレンタインの遺体は現在のバジリカに戻され、地下室には、古代の教会の祭壇や遺物などが集められています。


バジリカの正面横の木には赤いハート形の板に名前と日付が書かれていたり、メッセージが残されていました。
聖バレンタインの伝説の1つに、婚約中のカップルが口論している時に、聖バレンタインはバラの花を贈り、教えを説いたと言われています。その後戻ってきた二人は幸せな結婚の祝福を司教であったバレンタインがあげたとされています。
イタリアでは、2月14日のバレンタインデーは、Festa degli Innamorati (フェスタ・デッリ・インナモラーティ)と言い、カップルがお祝いし合う日です。バレンタインデー前になると、ハート形のパッケージに入ったチョコレートなどがスーパーに並びます。男性が女性に花を贈ったりしますが、日本のように盛大にはしてないです。
聖バレンタイン教会 ホームページ: Basilica di San Valentino
順番が逆になりましたが、この日は午前中にマルモレの滝に行ってから、テルニ市内、聖バレンタイン教会の順番で行きました。
マルモレの滝 (Cascata delle Marmore)
マルモレの滝はテルニから車で15分のところにある、マルモレの滝自然公園内 (Parco Cascata delle Marmore) にあります。

自然公園のバイロン入口 (Ingresso Byron) 近くにある有料駐車場に車を停めて、入園券とマップを購入しました。マップは公式ホームページからもダウンロードできます。バイロン入口は、滝を下側から見るのに便利な入口です。滝を上から見たい場合は、滝の上部にあるスペーコラ入口 (Ingresso Specola) から公園に入れます。
切符売り場と入口は少し離れていますが、入口では入園券を売っていないので、切符売り場で入園券を購入するか、事前にオンラインで購入します。
家族割引は切符売り場のみ利用できます。
入口から少し歩くと、滝が見えてきました。


マルモレの滝は、ヴェリーノ川から流れ込み、テルニを流れるネロ川 (ネラ川) に合流しています。
ヴェリーノ川は滝の上部にあるリエティ平野 (高原) を流れ、滝の下側のテルニ盆地と200m程の高低差があります。紀元前よりリエティ平野の採石場の開拓と共に、ヴェリーノ川の水が下部のネロ川に流れ込むように開拓されていました。

ヴェリーノ川から流れ込んだ大量の水で、ネロ川下流では度々洪水が発生したため、その後何世紀にもわたって水の流れを適切に排出するために試行錯誤されました。20世紀に入り水の流出を制限するダムが建設され、水力発電として使用されています。

水の放流予定時間の10分前から、少しずつ水の放流が開始されました。10分経っても穏やかな感じで滝が流れています。放流が始まって30分ぐらいで大量の水が放流されはじめました。
バイロン広場 (Piazzale Byron) の手前のBの位置から滝を見ていました。
自然公園には5つのハイキングコースがあります。赤のルート1は約600段の階段があり滝の上部へつながっています。ルートの途中に、一番上の滝の下にある恋人達のバルコニー (Barcone degli innamorati) があります。

水色のルート2と黄緑のルート3は、運動不足の私でも楽しめる比較的簡単なコースで、各ルート15分~20分で歩けます。
ルート2は、2つの滝の近くまでいける人気のハイキングコースなので、こちらのルートを歩くことにしました。


ハイキングコースに続く橋を渡って遊歩道を歩いて行きます。
遊歩道は川の水しぶきで滑りやすくなっているので、スニーカーや登山靴を履いている人が多いです。水しぶきが飛んでくるので、ポンチョなどを準備していくと便利です。

私は防水性のあるマウンテンパーカーとスニーカーで行きました。
滝の近くまでくると、かなりの迫力があります。容赦なく水しぶきが飛んでくるので、ボトボトです。
約1時間半の滞在で、遊歩道ルート2を歩いて滝を間近に見て、バイロン広場からは滝全体を見ることができました。
このマルモレの滝自然公園は、開園日や水の放流時間がホームページに掲載されているので、開園時間、放流時間を確認してから行った方が良いと思います。

駐車場や切符売り場がある場所には、お土産屋とお手洗いがあります。
時間は13時を過ぎていて、お腹が空いていたのでサラミのパニーノとポルケッタのピアディーナを買いました。ポルケッタはポークローストのことで脂身が多いです。美味しかったですが、少し胃がもたれてしまいました。



マルモレの滝 ホームページ: cascata delle marmore