Monte Canin (カニン山)
カニン山はイタリアとスロベニアの国境にある標高2587mの山です。
タルヴィージオから車で30分のところに、Sella Nevea(セッラ・ネヴェア)というリゾート地があります。そこからスタートです。

カニン山はカニン山脈の中での最高峰です。
頂上までは普通の装備では行けません。
今回はセッラ・ネヴェアから、ロープウェイで1850mまで登って、その周辺を歩きました。
セッラ・ネヴェアにあるロープウェイ乗り場です。
ロープウェイに乗って数分で、ラッコラーナ渓谷 (Val Raccolana) を見渡せます。


渓谷の北側の山が見えます。
夏シーズンはこの先のリフトは稼働していないので、この先は歩くのみです。
冬はスキー場になるので、リフトに乗り継ぎができます。


ロープウェイから降りると、南側の山はゴツゴツした石灰岩質の山がそびえています。
わかりにくいですが写真の右上の山に穴があいています。この山はフォラート山 (Monte Forato) で標高2499mです。
真ん中にある白い部分が雪原です。
野生の動物がいました。Camoscio (カモッショ) らしいです。ウイキペディアをみると、日本語ではシャモアだそうです。
タルヴィージオの国道でも、野生の動物の Cervo (チェルヴォ) という、アカシカが目の前を横切りました。野生動物注意の道路標識がある所で、初めて横切るところをみました。


坂を下って雪原まで行きます。
その途中に小さな教会がありました。
雪原はあまり遠くないかなと思いましたが、坂を下ってから、上ってていくので思いのほかキツイかったです。


雪原に着きました。夏で半袖を着ているのに、雪の上にいるのは不思議な感じがしました。
小さな雪だるまを作ったり、雪を投げて遊んでいました。
40年前は夏でもこの辺り全体が雪原で、一年中スキーができたそうです。
雪原があることで、今でも夏は雪解け水がありますが、このまま温暖化が続くと雪原が溶けてなくなり水不足などの心配もあるそうです。
Rifugio Celso Gilberti (リフージョ・ジルベルティ)
雪原からロープウェイ乗り場近くにある、リフージョ・ジルベルティに向かいます。

このリフージョは、カニン山や、フォラート山への登山の拠点になっていて、宿泊もできます。
レストランはランチタイムなので満席でしたが、少し待つだけで山側にあるテラス席に座ることができました。

2020年の夏のメニューです。
鹿肉で作ったミートソースのタリアテッレがあります。
鹿肉や猪の肉、イタリア料理で食べられるウサギの肉は食べ慣れていないので敬遠しがちです。日本でエスカルゴを食べた事がありますが、イタリアでカタツムリ料理を一口もらった時は、気持ち悪くなりました。まさに食べず嫌いです。



まずはプリモのグーラッシュとミートソースのパスタです。
グーラッシュは、サラッとしたスープでした。
セコンドは、クロストーネと鹿肉の骨付きの煮込み料理 (Ossobuchi di cervo) です。鹿肉は食べてないですが、クセもなく美味しかったそうです。そしてフリーコとポレンタです。フリーコは、じゃが芋とチーズを焼いたものですが、この組み合わせは高カロリーと美味しさの最強の組み合わせです。

デザートのstrudel (シュトゥルーデル)はオーストリアのお菓子で、アップルパイみたいでした。
マスカルポーネのバニラクリームは、2つ注文したかったのですが、売り切れで最後の1つでした。甘すぎないのに濃厚で、すごく美味しかったです。
今年の夏はいろいろなリフージョで昼食を食べましたが、このジルベルティが一番美味しかったように思います。
Facebook ⇒ Rifugio Celso Gilberti

山の天気は変わりやすいようで、午前中は天気が良かったのですが、だんだん曇ってきました。
雨が降りそうなので、そのままロープウェイ乗り場に行きました。
ロープウェイに乗ると、雨が降り出してきました。
セッラ・ネヴェアまで下りてきて、車を止めている大きな駐車場に戻りました。駐車場の横に、Parco Aventura があります。
各自でロープに安全ベルトをつけて、ジップラインなど、アスレチックができます。
この後、激しい夕立が降ってきたので退散です。

Montasio (モンタージオ)
セッラ・ネヴェアからモンタージオ山(標高2754m)方面へ行くことができます。ハイキングコースもあって、Malga Montasioまで歩いて行くこともできます。
今回はMalga Montasio の手前にある駐車場に車を止めて、そこからモンタージオ山麓にあるRifusio Giacomo di Brazzà を目指します。


駐車場(標高1505m)からハイキングコース(CAI 622) を歩いてリフージョ Giacomo di Brazzà(標高1660m)を目指します。ゆっくり歩いても1時間かかりません。
なだらかな道から始まりましたが、最後の長い上り坂は、 かなり体力を消耗しました。


リフージョから見た景色は癒されます。
長い上り坂を歩いてきて、よかったなと思える瞬間です。
席はベンチしか空いてなかったので、飲み物だけ飲んで一息つきました。
リフージョ Giacomo di Brazzà でも食事ができますが、時間が早かったので軽く休憩してからMalga Montasio に向かいます。
Facebook : Rifugio Giacomo di Brazzà
モンタージオ山から渓谷を挟んだ反対側に、カニン山脈があります。フォラート山の穴があいている部分や、雪原もみえます。
この穴(Okno)は、チヴィダーレ・デル・フリウリにある悪魔の橋での取引で、激怒して逃げ出した悪魔があけた穴だとか。。。

フォラート山には、リフージョ・ジルベルティからも登れますが、スロベニアのボヴェツ (Bovec) からもロープウェイを利用すれば、そこから約1時間でたどり着けるそうです。
Malga Montasio(マルガ・モンタージオ)
マルガ・モンタージオはレストランとチーズやジェラートを売っているお店があります。
お昼の時間帯に着きましたが、満席だったので名前を伝えて1時間ぐらい席が空くのを待ちました。景色がいいので少し歩いたりして、待ち時間も気になりませんでした。




グレーのパスタ ブレックス (Blecs) はフリウリ地方のパスタだそうです。小麦粉、コーンミール、そば粉を使ったパスタなので、グレーっぽい色になるみたいです。パスタの上にモンタージオチーズのクリームソースがかかっていて、バターとチーズたっぷりの味付けでした。
私はニョッキを食べました。グーラッシュにニョッキが入っています。イメージ的にビーフシチューにじゃが芋ニョッキが入ってる感じです。
他の山のリフージョでは陶器のお皿を使っていましたが、こちらだけ使い捨てのお皿を使っていたので、町のお祭りのサーグラ (Sagra) みたいな感じでした。


マルガ・モンタージオでは、モンタージオチーズを作っていました。モンタージオチーズは、フリウリ料理のフリーコにも使われています。
隣にあるショップで、ここで作られたモンタージオチーズと、熟成期間が2年越えのモンタージオチーズを買いました。
熟成期間2年越えのチーズは、味が濃厚でもピリ辛さはなく、まろやかで美味しかったです。
この熟成チーズはウゴヴィッツァ (Ugovizza) にあるチーズ屋で作られたものだそうです。お店では、ジェラートや当日に出来上がったヨーグルトなどを売っています。
ウゴヴィッツァのチーズ屋のFacebook → Caseificio di Ugovizza



食後は、少し遠回りしてモンタージオ高原で育っている牛をみてから駐車場に戻りました。
公式ホームページ : Malga Montasio
Fontanone di Goriuda (ゴリウダの滝)
セッラ・ネヴェアからキュウザフォルテ (Chiusaforte) 方面に10分程車を走らせると、ゴリウダの滝があります。目印は道沿いにあるTrattoria al Fontanon です。このレストランの駐車場の向かい側に、滝へ行く登山道の入口があります。滑りやすい山道なので登山靴で行きます。


滝まではゆっくり登っても15分程で行けます。
雨が前日に降ったので、水量は十分です。



近くに行くほど、滝の迫力を感じることができます。
滝の裏側に行くと、水しぶきを浴びながら、水の勢いを体感することができます。
正面から見る滝が一番きれいで、流れ落ちる水の迫力に圧倒されました。
滝で多く発生されると言われるマイナスイオンをたっぷり吸収できた。。。はずです。
カニン山に行った時は雨が降ってきたので、そのままタルヴィージオに戻りましたが、モンタージオ高原に行った時は、その後にゴリウダの滝に寄ってからタルヴィージオに戻りました。
カニン山で万年雪を見て、モンタージオ高原でのんびりハイキング。どちらも良い一日でした。